私たちが見てきた「日本企業のグローバル化」

J-Globalが設立されたのは2010年ですが、J-Global的な思想の誕生は、そこからさらに数十年さかのぼります。

CEOのジョン・リンチと創業者たちは、1980年代から日本で働いており、多くの日本企業とビジネスを行ってきました。その中で数十年間にわたり、日本がグローバル化していくのを目の当たりにしてきました。

ユニークな日本のビジネス文化の強みが、グローバル市場で発揮されるのを目撃できたことは、大きな驚きであり、感動でした。日本企業のチームワーク、スムーズなナレッジシェアは、海外でも賞賛されました。日本企業といえば、品質に対するこだわりや、「カイゼン」の方がよく知られていますが、チームワークやナレッジシェアを支えるビジネス文化については、今もまだ、本当に理解されているとはいえません。

ただ、不安を感じることもありました。日本企業の多くが、海外でコミュニケーションに苦労している姿を頻繁に目にしたからです。

もちろん、言語は大きな壁となります。しかし、私たちが見てきたコミュニケーションの問題は、言葉だけが原因ではありませんでした。文化の違いについての誤った思い込みや、グローバルビジネス習慣への理解不足の方が大きいように見受けられました。そして、「国境を超えた、複雑な組織やプロジェクトを、どのようにマネージすべきか」といった点については、残念ながら当時も今も、日本企業は大きな課題を抱えたままでいます。

「2つの文化」は相容れないのか

日本企業がグローバル化で直面している問題の根源は、「日本流」と「グローバル流」という異なるビジネス文化が、組織の中でまったく歩み寄っていない点にあったのです。同じ目的に向かっているのに、1つの組織としてではなく、2つの反目し合うチームとして仕事を進めているようなものです。そしてこうした状態は、ほとんど変わることなく30年以上も続いてきてしまったのです。

私たちは「もっといいやり方があるはずだ」、そして「双方の良いところを組み合わせて、一つのビジネスマネジメントの仕組みを作れないだろうか」と考えました。

2つを合わせた「日本―グローバル」の仕組みであれば、日本人社員も外国人社員も、誰もが抵抗なく受け入れることができるうえ、働きやすい職場を実現し、高い成果を上げることができます。「どちらかだけ」よりも、優れた仕組みが生まれるのです。

これが、私たちが10年前に編み出し、それ以来改善を加え、磨き上げてきた「J-Globalウェイ」なのです。

これまで多くの企業が、J-Globalウェイによって、それぞれに合ったハイブリッドな仕組みを作り上げていきました。

今も、J-Globalの異文化マネジメントサービスや研修プロダクトは、日本企業がグローバル化の夢を実現するサポートをしています。

ビジネス環境のグローバル化は、今や「解決すべき問題」ではありません。成長と成功の強力な武器なのです。